ミニマリスト的実験 PR

冷蔵庫・洗濯機なし生活の極意!『家事か地獄か』とBライフの共通点

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

稲垣えみ子さんの新刊が出たというので、さっそく読んでみました。タイトルは『家事か地獄か』。

稲垣えみ子さんといえば、なかなかの過激派ミニマリスト(と私は思っている)。

なにせ、

・冷蔵庫
・洗濯機
・電子レンジ
・炊飯器
・掃除機

全部やめて暮らしてる人です。私もまあまあやってる方(電子レンジ・炊飯器・掃除機なしまではやった)ですけど、冷蔵庫なしはハンパない。

そんな便利家電をすべて手放した稲垣さんが、家事についての本を書くなら読まないわけにいかないでしょ。

『家事か地獄か』の結論を強引にまとめるなら、

・便利家電を捨てれば家事はラクになる
・自分の面倒は自分で見る。本来の「家事」は楽しい
・本当のシンプルな生活を考えよう

というところでしょうか。

ーーー

読み進めて気づいたのは、私のもうひとつの原点『Bライフ』の提唱者・高村友也さんの小屋暮らし生活と重なる部分が多々あること。

「なるほど、極めると人はここに行きつくのだな」と妙に納得してしまいました。

今回は、『家事と地獄』と高村友也さんの『自作の小屋で暮らそうーBライフの愉しみ』との共通点を書き出しながら「ニンゲンの基本の暮らし」について考えてみようと思います。

冷蔵庫なしってどういうこと?

たぶん現代人に一番想像しにくいのは「冷蔵庫なし」ってどゆこと??ということではないでしょうか。

稲垣さんは脱サラと反原発思想から、高村さんは電気をひかない小屋暮らしから、それぞれ冷蔵庫なし生活に至っています。

食材を冷蔵できない生活で、人はどうなるのか?というと…

献立が、「ごはんと味噌汁」になるのです。

冷蔵庫も電子レンジも手放したら、冷凍も作り置きもできないから日々ごく単純な料理をするしかなくなってしまったが、やってみればそれで十分満足できる自分がいた。(稲垣えみ子『家事と地獄』より)

米、乾麺、味噌、醤油などの主要食物は、季節を問わない万能選手だから、冷蔵庫がないからといって困ることは絶対にない。

具の多い味噌汁は栄養的にも味的にも安定している。これにあとごはんと漬物があれば、1食100円で、絶対死なない、絶対飽きない、最強の食事ができあがる。

(高村友也『自作の小屋で暮らそう』より)

ふたりとも、カセットコンロひとつの台所というところまで共通。

野菜は少し干してから保存したり、肉は買ってきた日だけ食べることにしていたり、小さな工夫はあるものの、『基本、家ではごはんと味噌汁しか食べない』生活なのです。

そしてそれが”家事”にも関わってくるのだけど、そういう生活になると「台所の掃除」や「食器洗い」などの作業が極端に簡単になるんですよ。

コンロは1個しかないし、米を炊くのと味噌汁をつくるくらいなら大した汚れもつかない。換気扇がベタベタするのは油料理をするからです。凝った皿も必要ないから洗い物もらくちん。

私たちが大変だと思っていた炊事回りの家事は、家で揚げ物をしたり、様々な調理器具を使って珍しい料理を作ったり、忙しいからといって作り置きを何品も作ったりするから、”発生している”家事。

それって、やめれば家事もなくなるよ?しかも、お金もかからず、健康に生きられるよ?

ということを突き付けられます。ぐう、確かにその通りだ。

洗濯機なしってどういうこと?

とはいえ、洗濯はさすがに手でやるのは大変でしょ!?と思うのが現代人。

それに対する二人の回答は、「そんなに洗う必要ある?」です。

衣類は、水でガシャガシャやって汚れの8割を落とし、ちゃんと天日で干せば、Bライフ的には何の問題もない。残りの2割を落とそうとすると、その何倍もの金と労力が必要になる。(高村友也『自作の小屋で暮らそう』より)

洗濯機がなければ自分で手洗いするしかなくなり、となると「大量のものを一気にまとめ洗い」なんて絶対できない。したくもない。ってことで結局毎朝、前日使った下着とタオルなどをちょこまか洗って暮らすことになった。

清潔に暮らすとは、大量のものを効率的にまとめて洗うことではなく、「その日の汚れ物をその日に洗うこと」だったのだ。(稲垣えみ子『家事が地獄か』より)

自分で手洗いするしかない状況になると、手洗いしづらいもの・乾きにくいもの・絞りにくいもの…などはおのずと使う選択肢からはずれます。稲垣さんはバスタオルをやめ、手ぬぐいタオル1枚の生活になったそう。

たしかに、1週間分の洗濯ものをまとめて洗って、干して、取り込んで…という家事は大仕事。家族が多いと本当に負担ですよね。

でも、各々が「今日着た下着を今日の夜、自分で手洗いする」だったら?意外とそんなに大変じゃないのかもしれません。

この生活をするのに頭を切り替えないといけないのは、「1回着ただけの上着とかズボンとか、シーツとか、そんなに頻繁に洗う必要ある?」という発想ができるかです。

「えー、きたなーい」と思ってしまうなら、やっぱり洗濯機なしの生活はできないと思う。

でもね。1回着ただけの洋服は本当に、大量の洗剤と柔軟剤を放り込んで洗わなければいけないものなのか?というのは一度自分の心に問うてみてもよいと思います。

いつでも真っ白まっさらなものが気持ちいい!毎日洗濯機は回すもの!というイメージって、案外洗剤のCMでつくられたイメージなだけだったりするもんです(洗剤メーカーはそりゃ毎日洗剤使ってくれなきゃ困るからそういうPRをしますよね)。

必要だと思っていることは、かなりの割合で『オプション』なのかも

今回は冷蔵庫と洗濯機を取り上げてみましたが、そんな感じであらゆるものを手放せば手放すほど「ラクになる」のは意外と本当だと思います。

「ラクになる」のは、実際の作業はもちろんですし、「それを持つためにかかるお金を稼ぐこと」からの解放でもあり。

家具家電はこれだけそろえなきゃ、家族のために毎食5品以上のおかずを作らなきゃ、4人家族なんだから3LDK以上で収納もたくさんの家を買わなくちゃ…などと考えていると、いつまでたっても日々は忙しいし、ちっともラクになりません。

最低限の暮らし(高村さんが言うところの「Bライフ」)をまず把握して、その最低限でやるもよし、ここだけはちょっとプラスしようかな、などとオプションをカスタマイズするもよし。

いずれにせよ「これがあれば死なない」という基礎の基礎を知っておくのは、生きる上でとても大事。

「洗いたての真っ白な洗濯もの」「栄養バランスの取れた多品目のおかず」などは、案外それを売りたい人がマーケティングのためにつくったイメージだったりもするのです。

もちろん自分が気持ちいい範囲でそれを達成するのは自由だけど、人の作った価値観に合わせようとすると無限に付き合わなきゃいけなくなる。案外必要だと思っていることは「オプション」なのかもしれないよね…と思いました。

時間に追われ、お金に追われ、なんでこんなに毎日忙しいの!!と思っている人は、読むと目からウロコが落ちるかもしれません。

全然違う本なんだけど、2冊合わせてぜひ。

おまけ:私が実践から辿り着いたこと(私見)

私もこの10年ほどいろいろやってきたので、最後に自分の実体験と私見を書いておきます。人によって大事にするポイントは違うので、ひとつの見方ということで。

・「冷蔵庫なし」はヤダ

私は基本食いしん坊で、ごはんにかける情熱は他に比べて高め。いろいろな食材を食べたい欲を抑えるのは幸せではなかったので、冷蔵庫は必要。

これが脱・電気できない最大の理由であることも理解しています。冷たいビールが飲める幸せよ!!

・洗濯機は、一人ならなくてもいけるかも

衣類にはあまり興味がないので、洗濯機なしは意外といける(実際なかったときもある)。二人暮らしになって導入しましたが、まとめて洗うから洗濯は大変なんだよね、には同意。

洗濯機のすごさは洗濯ではなく脱水機能。手洗いはできるけど、絞るのは大変。ちなみにうちもバスタオルはないです。

・電子レンジと炊飯器はなくてOK

これは今もないけど、全然問題ない。土鍋でごはんを炊くのは慣れればなんてことないし、その方が美味しい(食いしん坊発揮)。電子レンジのかわりは、蒸し器やコンロについてる魚焼きグリル。温めなおしはそれで事足ります。

電子レンジにしかできないことは、冷凍ごはんを3分で熱々にすること。ゆえに冷凍ごはんという存在はなくなりました。

・掃除機はなくても平気

掃除機は持っているけど、自分でかけるタイプの掃除機なので、手間はほうきでも掃除機でも同じだなーと思う。むしろ掃除機の掃除をしなきゃいけないから、ほうきの方が楽。掃除機はなくても全然いい。完全自動のお掃除ロボットなら、自分の手は空くので、超忙しい人にはあってもいいかも。

掃除のラクさはとにかく部屋の広さ次第。コンパクトな部屋に住むのが掃除をラクにする一番のコツ。

・「揚げ物しない、肉焼かない、風呂は銭湯」を徹底すれば家事はだいぶラクになる

結局大変な家事は水回り。台所は汚れないように献立を絞る。風呂は使わない。が結局のところ最強なんです。やるかやらないかはおいといて、これはマジで真実。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です