4月10日は『お弁当はじめの日』だったそうで。
ラジオで「お弁当にまつわる思い出特集」みたいなのをやっていて、思わず聞き入ってしまいました。
『お弁当始めの日』はニチレイフーズが考えた日のようです。確かに、冷凍食品は手作りお弁当には欠かせないもんね。
この統計結果もなかなか面白いです。お弁当作りナンバーワンは新潟県かあ。なんかわかる。
件のラジオの特集では、お母さんに毎日お弁当を作ってもらっている学生さんたちの声が多く、「そんなにみんな手作り弁当なのか!?」と驚いたのですが、この記事を読むと日本人の4分の1は平日毎日手作り弁当を食べているらしい。ひえー。
私自身は、お弁当にあんまり思い出も思い入れもありません。お弁当つくる県ランキング46位の東京っ子だからな。ちなみに45位は神奈川県、47位は埼玉県です。
ラジオで特集されていたような「お母さん、お弁当ありがとう」的なノリがどうも気持ち悪くて、なんでなのかなーと考えてみました。
学生のお弁当は、給食でよくない?
保育園~公立小学校~公立中学校~公立高校~公立大学と歩んできた私は、昼ごはんといえば「給食」。ハイ、みなさまの税金で育てていただきました。ありがたやー。
お弁当が必要だったのは高校の3年間。
両親は共働きで、自分のことは自分でやるべしという方針の我が家でしたので、お弁当は自分で作っていたはず。
とはいえ特に情熱もなく、ごはんを詰めてふりかけかけて、ゆでたまごとブロッコリー、とか、冷凍食品のおかず、とかそんな感じ。(一時期、たまご焼きをつくるのに凝ったこともあった気がする)
作れない日は購買でパン買ったりしてました。お母さんの作ってくれたお弁当を持って来ていた子もいたのでしょうが、パン買ってる子も普通にいた気がする。
小中学校の給食や大学の学食に比べれば、変わりばえしなくて面白くない。
食べるときは冷たいし、帰ってきてからお弁当箱洗うのはめんどくさいし。
良かったことといえば早弁ができたことくらいでしょうか。
それに対して給食には楽しい思い出がたくさんあります。
今日はカレーだ!とか。酢豚は人気なくてやたら余ったっけ、とか。たまーにアイスが出てうれしかったり。
お弁当が必要なのは主に幼稚園と高校だと思いますが、一括して給食にしてしまえばいいのになあ。むしろなぜしないんだろう?と思います。
お弁当にかけられるパワーは各家庭によって違うし、栄養バランスのよいものを均等に食べさせられるという意味で給食はベストでしょ。
学校なら人数も多いし、給食が一番合理的だと思うけど。アレルギーなど別対応が必要な人のみお弁当にすればいいですよね。
「中高生の昼ごはんをつくる」ということに、各家庭でこれだけのリソース(主に母親の労働力)が割かれているというのに驚愕です。
やりたくてやってるの?仕方なくてやってるの?謎です。プロがまとめて作ればいいのに。
女性の社会進出とか、一億総活躍とか言いながら、公教育でお弁当必須とは。矛盾してるなあと思う次第です。
*ここまで書いて調べてみたら、なんと中学から給食がない自治体もあるのですね。高校は義務教育でないので給食率はぐっと下がります。予算の問題なのでしょうが、つくる人は大変だ…。
お弁当ってそんなに良いもの?
そもそも、お弁当ってそんなに良いものですか?
私は誰かが作ってくれるお弁当より、美味しい定食風のごはん(ごはん、味噌汁、メインおかず、副菜)が安く食べれる方が嬉しいです。いや作ってくれるならありがたく食べますけれども。
— 高畠美月 (@unimizuki) 2017年4月10日
食事として考えたら、定食の方がいいなあ。
ごはんはお茶碗に盛って、おかずは別皿で、お味噌汁もあったらうれしくない?ごはんのおかわりとかできたらもっとうれしい。
温かいものは温かく食べられるし、汁物やカレーなどお弁当では実現しづらいメニューも豊富。
実現できるかどうかはともかく、ベストな選択肢はバランスのよい定食風の昼ごはんが食べられることではないのか。
お弁当はそれが叶わないから仕方なく、の2次的な選択肢だと思うわけです。
あと個人的には、職場でごはんを食べたくない。食事は一番の気分転換なので、できれば違う環境で食べたい。
都心部ではなかなかのんびりお弁当が食べられる公園なども少ないため、お弁当を敬遠しがちというのはあります。
健康のためのお弁当、は理解できる。
大人のお弁当、大きな理由はコレではないでしょうか。
カロリー、塩分、糖分、などなど…大人になると、いろんな問題が出てくるのよね。
健康上の理由で外食やコンビニ弁当を避けたいと思った場合、手作り弁当が必要になるのはわかります。
節約のためのお弁当、はちょっとだけ理解できる。
大人のお弁当、もうひとつの理由はコレ。
私だって潤沢にお金があるわけじゃないので、これはまあ理解できます。
でも!
でもでも!
お弁当を用意する手間。お弁当箱を洗う手間。満足するメニューと量を用意すること。
それらを兼ね備えて自分で自分のためのお弁当をつくるとなると、外食の方が安いです。その時間とパワーがもったいない。
それこそ誰かがつくって持たせてくれるなら、ありがたくいただきますけどね。
数百円の節約にはなるかもだけど、そのために時間を使うのは本末転倒だし、食事は楽しくしたいので。
たとえば調理場があってお皿があって、ごはん持って行って温めてレトルトカレーかけて食べる、とかならいいかも。
「お弁当」という形態ではなく、そこで簡易的な食事を作れる、ということなら節約のためにやってもいいなあ。
まとめると
・学生は給食がいい
・社会人には「食べる環境」を整備してほしい
→ 気分のいい場所で食べたいの(気持ちのよい休憩スペース)
→ あったかいものが食べたいの(電子レンジやポットなどの整備)
→ お弁当箱すぐに洗いたい、できればお皿で食べたいの(調理場・流しの整備)
・社食があればベスト。なければ調理場と冷蔵庫がほしい。
どうですか。だめですか。反論があるならどうぞ。
レジャーのお弁当は好きです
さんざんお弁当をディスってきましたが、レジャーのお弁当は好きです。
お花見とかピクニックとか、気持ちのいい屋外で食べるお弁当は美味しいもん。
動物園デートとかする場合は、私だってちゃんとお弁当くらいつくりますよ。ふふ。
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楽しく食べるごはんのひとつとしての「お弁当」はアリだけど、日々のごはんは各家庭のお弁当に甘えずに、福利厚生としてちゃんと整備してほしいよ、と思います。
「お母さんのお弁当礼賛」の気持ち悪さはそこですね。
特に育ち盛りの学生さんは、給食がいいんじゃないかなあと思う。お母さんもそのぶんの労力を他のことに使えたほうがいいでしょ。
「お母さんがつくってくれたお弁当に感謝」みたいな風潮より、どんな家庭の子も学生のうちは、バランス良い食事がおなかいっぱい食べられる、という方向を目指してほしいと思うのでした。