金魚を飼い始めて8ヶ月ちょっと。
専門誌を読んだり、愛好家の方々のYou Tubeやブログを見たり、養魚場や専門店のTwitterを追いかけたり、イベントに足を運んだりして、金魚飼いには色々なスタンスがあるのだということがわかってきました。
自分はどんな目標を持って金魚を飼っていくのか。考えるために、観測した金魚飼いのパターンをまとめてみます。
※記事中の写真は、2023年観賞魚フェアの品評会で撮った写真です。美しい金魚をお楽しみください。
金魚飼いの4タイプ
①古典的愛好家
よい親魚を交配して卵を産ませ、稚魚を育成して品評会を狙う人たち。金魚の専門誌は主にこのタイプの人たちが主役。
品種ごとにある品評会が多いので、特定の品種をやっている人が多い。らんちゅう、オランダ、関東東錦など。春になると、交配と生まれた稚魚の世話で忙しそう。
②育成系愛好家
稚魚を買ってきて育てて品評会を狙う人たち。①のタイプと目標は同じだけど、仔引き(卵を産ませること)はしないで稚魚を買って育てる。
将来性がありそうな稚魚を目利きするのが腕の見せ所。こういう愛好家のために、金魚の専門店は春になると稚魚を売っているのです。
③「すごい金魚」コレクター
プロが育てた唯一無二の美しい金魚(高価)を泳がせて愛でる人。素晴らしい個体を作るのは腕が必要(①②の人たちが目指している競技)なので、出来上がった個体を買ってきて愛でる。
〇〇氏作、などと書いて売っている金魚もあり、1匹数万円したりする。輸入ものも多く、中国産・タイ産・マレーシア産など、豪華な輸入魚も。繁殖には興味なさそう。
④ペットとして金魚を飼う人
気に入った金魚をペットとして飼う人。金魚すくいでとってきたり、人からもらったり、ペットショップで買ったりして飼い始めるライト層。
大きくすることを楽しむ、鑑賞して楽しむなど、スタンスの違いはある。いずれにせよ、品評会目標ではなくあくまで自己満足。
それぞれの傾向
①②は品種を選ぶのが特徴。
金魚には様々な品種があり、それぞれ「よいとされる型」が決まっています。それを目指して魚を「作り込んでいく」。そういう愛好家のおかげて保たれている品種もたくさんあるのです。
交配させて卵をとるガチ勢(①)と、よい稚魚を養魚場などから買って育てる(目利きが必要)②があるけど、どちらも品評会で賞を取れるような個体を育てるぞ!が目標(なのだと思う)。
そう、金魚は美しい個体を「つくる」楽しみがある魚。どんな遺伝子をかけあわせるか、水温や環境、餌のやり方などの育て方で、美しい個体は「つくる」ものなのだそう。
春に卵をとったり稚魚を買ってきたりして、秋の品評会までにかなりの大きさにまで育てる(今年生まれのの魚を当歳と言い、品評会の「当歳の部」は愛好家がしのぎを削る部門)。
大きい金魚は長生きの金魚かと思っていたけどそうではなく、「短期間で大きくする技術」があるのですね。
親にする金魚は3〜4歳くらいまでが多く、その後は手放してしまうことも多いらしい。①の人たちはあくまで、卵から2〜3歳までの間にどれだけの個体が作れるか、という競技をやっているのだと思います。
うまい人が作った金魚は素晴らしい。そんなできあがった個体を買ってきて愛でるのが③。
これはまあ、庭の池に錦鯉を泳がせるようなもので、お金が必要な趣味です。そして長く飼えるのか?はやや疑問。もちろん上手に飼ってる人もいるのだろうけど、養魚場の方に聞いた話では、難易度は高いらしい。
ある意味、仕立てられた花鉢や切り花のアレンジメントのようなものかも。買ってきたときが一番美しい。①や②の育てる楽しみとは違う世界ですね。
ペットとして育てる…にもいろんなスタンスはあるよね
①~③どれも奥深い楽しみで「なるほどなー」とは思うものの、簡単に手が出せる世界ではありません。自分の場合は必然的に④になるわけだけど、その中でもスタンスはいろいろあるようで。
・いろんな金魚を華やかに泳がせたい
(過密飼育なので難易度は高い)
・安い金魚を大きく立派に育てたい
(目利き力必要、大きく育てるのも難易度高め)
・健康に長く飼い続けたい
(金魚の健康優先、見た目は寂しいor鑑賞性は低い)
・自家繁殖を楽しむ
(品評会に出せないような雑種金魚だって繁殖はできる、いきものを育てる楽しみ)
などなど。どこを目指すかによって、濾過フィルターの性能も水換えの頻度もエサの種類も全く変わってくるのです。
アクア系・金魚系はYouTubeチャンネルも多く情報は豊富だけど、まずは自分のスタンスを決めないと情報の取捨選択が難しい。
言ってること反対じゃん!という内容もあるけど、たぶん目指してるとこが違うからどちらが正解とかではないのだと思います。
ということで、自分の場合はどうかなーと考えると、
・気に入った金魚を飼う(買う)のが楽しい
・健康に長く生きてほしい
・そこまで大きくならなくてもいい
・鑑賞性はそこそこほしい(金魚の体によくてもコケまみれの水槽はヤダ)
・いつか繁殖も一回くらいはやってみたいな~(選別に耐えられるか問題はある※)
くらいの温度感だなと。
水換えの手間をどれだけかけれるかも人それぞれだろうけど、週一水換えくらいなら苦にならないので、わりとやれる方だと思う。ゆえにそこまでハイパワーの濾過フィルターはいらないかも。
大きくならなくてもいいなら、健康を考えても、たくさんのエサをやる必要はない(大きくしたい人は1日に4〜5回以上エサをやるらしいですよ)…とかね。
しばらくはそんな感じで、見た目はぼちぼちきれいに、金魚には健やかに気持ちよく暮らしてもらえるようにやっていこうという所存です。
※選別について
金魚は一度にたくさん卵を生むので、「選別」という作業が必須。いい個体を残してあとは「ハネる」のです。植物の間引きは罪悪感なくできるけど、小魚はどうかな…こればかりはやってみないとなんとも言えないですね。
繁殖は場所も広く必要なので、まだ②の方がやれそう。春先にいい稚魚を買ってきて、秋までによい個体を作り込むスポーツ…いつかちょっとやってみたい気もする。