毎年毎年、けっこうな被害を出してくれるコガネムシ氏。
幼虫が土の中で植物の根っこを食べるコガネムシは、見た目のインパクトはもちろん、植物に対する害もかなりのものです。
薬はあんまり使いたくないし、ある程度は仕方ないかなーと諦め気味だったのですが、今年はちょっと本気で防いでみよう!と思って調べてみました。
コガネムシによる被害。
我が家では、夏野菜の被害が顕著。
トマトやナスがなんか調子悪いなー、と思うとだいたいやられています。
成虫はこんな感じ。
都心でも夏になるとよく飛んでいるのを見かけます。つやつやしたメタリックな緑色で、それなりにキレイな虫です。
成虫も葉っぱをかじったりするのですが、園芸作物への被害はなんといっても幼虫によるもの。
幼虫は、カブトムシみたいな感じ。お菓子のカールを想像しておきましょう。
(コガネムシ幼虫の写真は→リンク で確認してくださいね)
調子が悪かった鉢をひっくり返してみると、根っこはボロボロ、幼虫がゴロゴロ出てくる…というのは毎年の風物詩です。
大きめのプランターだと、ひと鉢から20匹以上出てくることもザラ。うええ。
ベランダという狭い人間様の空間にはあまりにもインパクトが強すぎる害虫です。虫が苦手な人なら卒倒するレベル。
植物への被害はもちろんのこと、この幼虫の処分が大きなストレスであることは間違いないのです。
まずは敵を知る!コガネムシの生態とは。
「コガネムシ」とは
「コガネムシ」は甲虫目・コガネムシ科の昆虫です。
園芸業界では「ネキリムシ(根切り虫)」とも呼ばれていますがこれはアダ名みたいなもの。
コガネムシ科の仲間にはカブトムシやカナブンなどもいますが、彼らは園芸的な害虫ではありません。
葉っぱを食べる、根っこを食べる、にっくきコガネムシは「マネコガネ」「ヒメコガネ」「ドウガネブイブイ」「ハナムグリ」「ゾウムシ」など。
うちによく飛来しているのは普通のコガネムシか、スジコガネ、ヒメコガネかなあ?という感じ。
参照:コガネムシ図鑑
1.成虫飛来、卵を産む。
成虫を見かけるようになるのは5月頃から。
ベランダに飛んできた成虫は、いい感じの土を見つけて卵を産みます。堆肥や腐葉土が入ったふかふかの土がお気に入りのようです。
2.根っこを食べながら幼虫が育つ
卵から孵った幼虫は、最初は腐葉土などを食べ、大きくなると植物の根っこを食べ、すくすく成長します。
気温の高い夏の間は土の表面に近いところにいますが、冬には土の深いところに潜ります。
3.土の中でさなぎになる
幼虫のまま冬を越し、春先にさなぎになります。
4.めでたく成虫になる → 1へ
2週間ほどのさなぎ期間を終え、成虫になります。交尾相手を探し、ふたたび産卵へ。
*このサイクルは1年ですが、寒い地方などでは2年サイクルになるようです。
よくある退治法・水攻め。
鉢植えの場合、水攻めが有効だそうです。
鉢ごとバケツなどの水に浸けて、苦しくなった幼虫が土表面に出てくるのを捕殺する、というもの。
しかし私は試したことありません。溺れそうになった幼虫がぞろぞろ出てくるのは想像するだに気持ち悪い。大きな水入れを用意するのも大変です。
バラや紫陽花など植えっぱなしの宿根モノはときどき水攻めしてチェックするのも良いかもしれません。
夏野菜の場合、植物を育てるのは5月から10月くらいまでの間。水攻めするタイミングもなく、冬前にはどうせ土を入れ替えるので、そこまで真剣に防除してきませんでした。
また、調べていると、水攻めでは完全に退治できないとの声が続々。
いったんは土表面に這い出してきても、水が引けば元気に土の中に戻っていくようです。
→植木鉢の幼虫を水で退治?
水没実験までやっている人もいる…どんだけ生命力が強いのでしょうか、コガネムシ氏。
→水没コガネムシの幼虫、生存期間実証テスト
ブルーベリーやバラの園芸家さんのブログに多いですね。みんな苦労してるなあ。
卵を産ませない!土の表面を防御する。
そこで考えたのは、そもそも卵を産ませないこと。
成虫が飛来しても、土に潜れなければいいわけです。
調べてみると、土の表面に不織布を敷く、ネットをはるなど様々な防除法が出てきました。
なかでも、鉢底ネットを敷くだけのコチラは手軽で試しやすそう。
→ 鉢植えのコガネムシ幼虫対策にプラスチック鉢底ネットがおすすめです
網戸用ネットがあったので、イチジクの鉢に張ってみました。
成虫が飛来するのは5月頃から。今のうちに土をカバーしておけば、今年の被害は防げるかもしれません。
鉢底ネットでもやってみました。(2018年)
これならもぐれないでしょ!どうかな?
正攻法・農薬を使う。
農薬が嫌でなければ、土の中の害虫専用の薬品もあります。
コガネムシ用の王道は「ダイアジノン」。こちらは粒剤で、植え付け前に土に混ぜ込むと効果が高いです。もう植えちゃってる場合は、土に撒くだけでも浸透して効果があります。
野菜や食べるものを育てていると農薬には抵抗がある方も多いと思いますが、プランターにコガネムシの幼虫が大発生したら、そうも言っていられない。あいつら、成虫になったらまたタマゴを産みに来ますからね。
少しでも被害を減らすために、観賞用の植木や花壇には使ってみても良いかもしれません。
もう秋に大量の幼虫は見たくない…。今のうちからしっかり対策しておきましょう。
コガネムシよさらば!
ベランダでは日々いろんなことが起こります。
https://hanalabo.net/2018/06/25/beranda-kinoko/