若きミニマリスト・しぶさんの著書『手ぶらで生きる』を読みました。
自分がミニマリスト思想にハマったのは、佐々木典士さんの『ぼくたちに、もうモノは必要ない』を読んでから。初版は2015年なので、ちょうど3年前ですね。
そのころから「断捨離」や「片付け本」が流行ったりして、モノをもたない『ミニマリスト』的生き方が周知されてきたように思います。
しぶさんは、家賃2万円の4畳半に暮らす23歳。今までのミニマリストの中でも圧倒的に若い!!のではないでしょうか。(前述の佐々木さんは1979年うまれ。私はこちらが同年代です)
『手ぶらで生きる。』はミニマリストの基本を押さえた本でしたが、「なるほど若い人はこういうふうに考えるのか!」という新しい気づきもありました(ミニマリスト世代格差…)。
新しいサービスとか、ガジェットとか、どんどん出てくるもんね。三十路ミニマリストも頑張ってついていかねば。
というわけで、そのへんの「へえ!」という気づきを中心にまとめてみました。
佐々木さんの『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』も是非。世界22か国で翻訳され読まれています(スゴイ!)
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しぶさんのライフスタイルと『ミニマリスト』の考え方。
まずは全体像をざっくりと。
しぶさんは福岡県在住のミニマリストブロガー。家賃2万円・4畳半の部屋に暮らしています。月の生活費は7万円。服と靴は毎日同じもの。ごはんは1日1食。なかなか筋の通ったミニマリストです。
この本のテーマは「最小限のお金で生きて、最大限の自由を手にする」こと。
決して「モノをもたないこと」だけを推奨しているのではなく、目的は「自由になること」です。それは章タイトルからもわかりますね。
第1章 暮らしを自由にする。
第2章 物を自由にする。
第3章 体を自由にする。
第4章 時間を自由にする。
第5章 思考を自由にする。
第6章 人間関係を自由にする。
冷蔵庫はもたないとか、服を制服化するとか、1日1食にするとか、60万円以上は貯金しないとか、方法だけ聞くとエキセントリックに思うかもしれないけど、(スゴイ)
「自分にとって本当に必要なことは何かを見極めて、それ以外をそぎ落とすことで自由を増やそう。他人の価値観で生きるのではなく、自分の価値観で生きよう」
というメッセージは、他のミニマリストの方々と共通していると感じました。
「固定費の割合いをふやす」という発想。
目次を見て「?」と思ったのはコレ。無駄を減らしたい私は、固定費をいかに下げるかを大事にしています。
しぶさん自身も、安い家賃の家に住んだり格安SIMを利用したりして、固定費を下げているひとり。それなのに、これはどういうこと?
これは、変動費より固定費を増やした方が楽に生きられる、という発想。具体的には、様々な「定額サービス」を利用するということです。
例えば、見たい映画があるたびにTSTAYAでDVDをレンタルして見ている人。
月額680円のネットフリックスを契約した方が、安くたくさんの映画が見られるかもしれません。
最近はいろんなジャンルで定額サービスが出てきています。月々19800円で車が乗り放題の「NOREL」、飲食店が余らせてしまった食品を毎月1980円でお得に食べられる「Reduce GO」などなど。これはまさに時代だなあ、と思う。
ただ、定額サービスはうっかりすると、使ってないのにお金が出ていくばっかり…になりがち。
契約したときは「コレはお得!!」と思うんだけど、次第に使わなくなっていくことは大いにある。定期的な見直しが大切です。(これが面倒なので、私は定額サービス慎重派)
とはいえ、しょっちゅう使うものなら定額サービスの方がお得で家計管理も楽。自分がよく利用するサービスに、定額プランがあったら検討してみるとよいかもしれません。
モノの「出口戦略」を考える。
株や不動産に投資するときに、「最後どうなったら売るか」を考えるのが出口戦略。
モノを買うときも、最後どうやって手放すか?手放しやすいか?を考えて購入するのが「モノの出口戦略」です。
これは昭和脳の人にはわかりづらいんですが(笑)、最近の子は本当に「最初から売ることを考えてモノを買ってる」。
例えば、本やカメラは昔から「使わなくなったから売る」「中古で買う」という文化があります。それがどんなモノにも広がっていると理解すればよいと思います。
例えば、しぶさんは毎年iPhoneを新型に買い替えているそうです。
「えっ!あんな高級品を毎年?」って思うのは昭和脳(笑)(わたしもです)
Apple製品は需要が高く、1年程度使ったiPhoneは購入時の6~7割で売れるのです。ということは、最初から4割の金額で買っているようなもの。
スマホは使っているうちに動きが重くなってくるし、早めに新しいモデルに買い替えた方が作業効率もいい。売ることが前提だから、大切に使うようになる。
「自分のモノ」として所有するんじゃなく、どんどん乗り換えて次の人に回していくイメージなのでしょう。
これもひとえに、個人が簡単にモノを売れるサービスが広まったから(メルカリとかね)。
私は古本を売るアプリ「ブクマ!」を使っていますが、(サービス終了)新刊を入手するときに「これは売れそうだから早めに買って読むか…」みたいに考えられるようになりました。
これをもっと、モノ全般に広げていくってことですね。ここは見習いたいポイントです。
恩もお金も「人にまわす」。
買っているものなど見ると、それほどお金に不自由していなさそうなしぶさん。
それでも貯金は60万円までしかしない!と書いています。(ちなみに60万円の根拠は、自分にとって必要最低限の生活×1年分、なのだとか)
儲かってそうなのに、意外!(失礼)と思いましたが、あまったお金は人にまわすことで自分も相手も満たされる。お金も有意義に生きる、という考え。
投資ではなく「まわす」と表現するのは、返ってこなくても別にいい、と思うため。
なんというか、お金すらも自分の所有物ではなく、どんどん次の人にまわしていくもの、という意識なんだろうなあ。
このあたりは若い人の方が軽やかで、素直にスゴイなーと思います。お金への執着はなかなか手放せないですからね。
まとめ。
新世代のミニマリスト本、楽しく最後まで読みました。
考え方的には、自分の考えていたミニマリストの思想と基本的に同じ。それに加えて、若者ならではのモノとの向き合い方が新鮮!と思いました。新しいサービスへのキャッチアップは、怠ってはいけませんね。
初めてミニマリストの思想に触れる人にとっても、驚きと気づきがある1冊だと思います。
ちなみに私は食べることが大好きなので、1日1食はありえない(笑) 美味しいものの外食・お酒はやめられないし、やめるつもりもありません。
「暮らし」「物」「時間」「思考」の章は、ほぼ同感。とっても共感できました。
それぞれのミニマリズムがあっていい。「みんなが持ってるから」「持ってないと恥ずかしいから」じゃなくて、自分がなにを大事にしているか。それを把握することがミニマリストの第一歩です。
しぶさんのブログはこちら。ブログデザインも超ミニマルですw
→ミニマリストしぶのブログ