自宅でソーラー発電をはじめてから、どこまで電気を自給自足できるかなあと遊び半分で試行錯誤してきました。
でもやっぱり、鉛バッテリーを使うソーラーシステムは普通の人にはまだハードルが高い。
ショートしたらこわいし。配線とかよくわかんないし。普通のベランダしかないマンションだし。
そんな人でも、これならきっとできる!と自信をもって言える方法を思いついたのでご紹介します。
私がソーラー発電をはじめた2年前に比べて、リチウムイオンバッテリーや小さなソーラーチャージャーの性能は驚くほどアップしています。まさに日進月歩。
今回ご紹介するやりかたは、安いものを組み合わせれば 10000円もかからずに できちゃいます。
使うのは ソーラーチャージャー+モバイルバッテリー+LED電球 のみ。
家庭菜園でプチトマトを育てるように、トイレの電気だけベランダでちょっと作ってみませんか?というお話。はじまり、はじまり。
なぜトイレの照明なの?
なぜトイレなのか。なぜ照明なのか。一応、ちゃんと理由があるのよ。
バッテリーにためた電気を使う経験をしてみると、電気機器でも「電気をたくさん使う」ハードル高い系のものと、そうでもないものがあるのがわかります。これは、コンセントから電気を使っていると気づきにくいこと。
詳しい話は省きますが、電気ポットでお湯を沸かすとか、ドライヤーを動かすなどはハードル高い系。携帯電話の充電なんかはハードル低い系です。
「あかり」は電気の得意分野。
「照明」=あかりをつける ことは、電気の使いかたとして非常にハードルが低いです。
LED電球なら使用電力もとても少なく済みます。ほんと白熱電球とは大きく違うのですよ。技術の進歩はすごい。自分でつくった少量の電気でも、あかりを灯すことは比較的簡単にできるということ。
さらに「トイレの照明」というのは、一度に使う時間が最も短い照明 だと思うわけです。
1回あたり長くても10分くらい?使うときだけつけるから、トータルの使用時間はそんなに長くないはず。
また(すんごい豪邸でもない限り)広さもたかが知れてます。それほど大きな光源でなくても充分照らせるというのもポイント。
数時間つけっぱなしにする広いリビングの照明などに比べれば、少ない電気でも使えるはずだと考えました。
買うものはこの3つ。
買うものはこの3つです。
・ソーラーチャージャー
・モバイルバッテリー
・USB接続のLED電球(スイッチつき)
Amazonとかネットショップで簡単に揃います。ひとつずつ解説しましょう。
1.ソーラーチャージャー
ソーラーチャージャーとは、
のことです。
こんなやつですね。
最近では、アウトドアでも使える折り畳み式のカッコイイやつがずいぶん安く売っています。
買うときに見るポイントは
・W(ワット)数、V(ボルト)数、A(アンペア)数。
大昔に、W=V×A と理科の授業で習ったアレですね。
ワット数が大きいほど、たくさんの電気がつくれます。出力アンペア数が高いほど電気の流れる量が大きいので、充電時間が短く素早く充電できます。
・USBポートの数
出力はだいたいUSB。たまにシガーソケットのポートがついてるものもあるみたい。
USBポートが2つあると、2つのバッテリーを同時に充電できます。
・防水かどうか
急に雨が降ったりすることもあるので、防水はあると嬉しい。
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Ankerは21Wで6000円くらい。
Anker PowerPort Solar (21W 2ポート USB ソーラーチャージャー)
AUKEYは28W で5500円。
AUKEY ソーラーチャージャー 28W 2ポート ソーラー充電器 四つ折りたたみ式
この手のソーラーチャージャーがいろんなメーカーから出ています。発電効率がいいとか悪いとかのレビューも探せば出てくるはず。
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今回はあんまり考えずコチラを買いました。
セール価格で4000円を切ってたのでつい。
広げるとこんな感じ。
(ちなみに、雑誌クウネルはA4より少し小さいサイズです)
後ろにポケットがついてます。USBポートはその中。
日に当てると、赤いランプがつきました。発電中!ってことかな。
ここにケーブルをつないでいろいろ充電するわけですね。本体も480gでとっても軽い。洗濯ものを干すように、洗濯バサミでハンガーに吊るせそう。
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この分野はどんどんいい製品が出てくるので、買い時が難しい。
いろいろ考えると悩むので、とりあえず安めのやつをひとつ買ってみましょう。まずはのんびりモバイルバッテリーを充電できればいいやと。
*デバイスを急速充電したい人は出力アンペア数が高いものを選ぶといいです。
ただ、太陽の光は安定しないので、デバイスに直接充電せず、モバイルバッテリーにいったん充電してから使うのがおすすめです。
2.モバイルバッテリー
こちらも進化が目覚ましい、モバイルバッテリー。出先でスマホを充電するために、モバイルバッテリーを持つ人も多くなった印象です。
ポケモンGOが流行ったときにずいぶん取り上げられてましたよね。ポケモンGOのおかげなのだろうか。ありがとうポケモン!(やってないけど)
cheero Power Plus 3 10050mAh 大容量 モバイルバッテリー ホワイト
AmanStino 20000mAh モバイルバッテリー 大容量 USB2ポート スマホ急速充電器
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買うとき見るポイントは
・容量
Ah(アンペアアワー)と書いてあるところを見ましょう。だいたいスマホを急速充電するために作られているので、照明として使うにはどれでも充分だと思います。
今回は10000mAhのものを使用。1000円ちょっとでした。安い!
・残量が見えるか
そろそろ充電した方がいいかな?と残量が見えた方がいいので、残量ランプがあるものを選びましょう。
*今回はあくまで照明にしか使わないという前提で大雑把に選んでます。スマホやタブレット充電などにも使いたい場合、出力アンペア数や容量も重要になるのでよく調べてくださいね。
3.USB接続のLED照明(スイッチつき)
選ぶポイントは3つ。
・明るさ
LED電球の明るさの単位はlm(ルーメン)で表記されますが、いまいちピンとこないですよね…。安いのは、表記がないものも多い。
とりあえず私が買ったコレは360lmで、我が家のトイレには充分な明るさでした。
電球との比較はこちらも参考にしてみてください。
(参照:家電watchより)
・スイッチつきであること
付けたり消したりするので、スイッチが必要ですね。
ルートアール 30灯 USB LED バーライト スイッチ付き 昼光色
↑コレは買ってみたけど、なかなか明るくて良かったです!こっちはキッチンに使う予定。
ついていない場合は、スイッチ延長ケーブルなどを追加購入します。
TIMELY USB充電専用ケーブル [ ON/OFFスイッチ搭載 ]
こんなのも便利そう。
・見た目
おしゃれなものを探すのはなかなか難しい。黄色っぽい光が良かったので電球型を買いましたが、黒いケーブルが嫌なので、白いテープを巻いちゃいました。
もう少し選択肢があるといいのになあ。おしゃれな製品が出てくることに期待です。
どうでもいいけど、なんでガジェット系のケーブルは黒ばっかりなんだ。
やってみよう。
さあやってみましょう。
手順1.モバイルバッテリーを充電する
手順2.LED電球をトイレの適当な位置にセットする
手順3.充電したモバイルバッテリーを接続して使う
手順4.お天気のいい日に時々モバイルバッテリーを充電する
以上です。かんたーん。
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まずはモバイルバッテリーを充電しましょう。
ソーラーチャージャーにバッテリーをつないで。
しばらく干します。布団ですか。
トイレに電球とケーブルをセット。一番奥の壁際にくるように吊るして。
ケーブルをドア側にひっぱり、ドア開けてすぐスイッチがさわれるように配置してみました。
充電したモバイルバッテリーをつないで。(うまいこと棚にのりました)
ぱちっと点灯!
ついたー!
この写真では暗く見えますが、ちゃんとトイレ全体が照らされて、普通の照明と変わりありません。
あとは時々お天気のいい日にモバイルバッテリーを充電してあげればよし。
これでトイレの照明は、電力会社と完全に切り離された状態になりました。オフグリッド化成功!
この3点セットがあれば、停電しても照明が使えます。やったね。
不便なこと。
とはいえ不便なこともあります。電線からいつでも電気が送られてくるっていうのは便利なことなのね、とよくわかります。
・定期的に充電する必要がある
どのくらいもつのか?は家族構成とか使用頻度によりますよね。試してみないと何とも言えない。私はひとり暮らしで家にいない日もあるので、2~3週間に1回くらいで大丈夫っぽい。
天気がいい日に充電しとこうって感じになるので、慣れればたいした手間じゃないです。洗濯もの干す方が頻度高いよ。
・うっかりつけっぱなしにするとバッテリーがあがる
これはたまにやります。夜帰ってきて使おうと思ったらつかない!みたいなね。消し忘れに注意。
・トイレの外にスイッチが設置できない
コードの途中にスイッチがあるので、トイレの中でスイッチを操作することになります。不便といえば不便だけど、まあ慣れればそんなに気にならないかな。壁に穴をあけて配線できる人はチャレンジしてください。
電線から離れて電気をつくってみるとわかること。
「電気をためておける」ことはスゴイ。
こんな面倒なことして、なんでオフグリッドにしたいの?と思われるかもしれません。
でも、電線につながっていなくても使える電気があるってスゴイこと なんですよ。それはまさにバッテリーの進化であり、ソーラーパネルなどの技術進化のたまもの。
今まで電気というのは「ためておくことができないモノ」だったから、大きな電力会社に接続している必要があったわけです。
1.
今回やったのは、この一部をこうするってこと。
2.
そしてさらに技術が進んで、大きくて安全なリチウムイオンバッテリーの値段が下がれば、こんなふうにできるかも。
3.
1の状態は、すべての電気を電力会社の発電に頼っているので、なにかあったときには電気がストップしてしまいます。東日本大震災で実感した人も多いはずです。
少しずつでもみんなが2の状態を作れるようになると、万が一送電がストップしてもちいさく電気を使うことができるようになります。
そしてもし3が実現したら、大きな電力会社に頼らなくても良くなるかもしれません。
いろいろな発電方法で電気をつくる未来にワクワクする。
■の部分にためておく電気の発電方法は、別にソーラーじゃなくてもいい。たまたま今、個人ではソーラーパネルが手に入りやすいのでそうやっているだけです。
例えばこの本を書いているフジイチカコさんはなんと、エアロバイクを漕いで電気をためられるらしい。こうなると本当に身ひとつで電気がつくれますね。
川が近くにある地域なら小水力でもいいし、海辺の街なら風力もいい。小さな町や地域単位で発電をして、電気を町の人に配る…なんてことが現実になるかもしれません。(抵抗勢力はすごくいっぱいいそうだけど 笑)
とりあえず(かなり)気分がいい。
なにより、自分で電気がつくれるって、すごーく気分がいいのです。家庭菜園で育てた野菜は愛着があって妙に美味しく感じる、っていうのと同じかもしれません。
小さな一歩ですが、はじめてみれば意外と楽しいんだって。
この記事を読んで、やってみようかなーと思う人が一人でもふえますように!