毎日Twitterを見たり、こうしてブログを書いたり読んだりしている人は、インターネットで買い物をしたことがない人などいないでしょう。
中でもAmazon先生の便利さは一度経験したらやめられない。
最近ではAmazonフレッシュやら、Amazonプレミアムやら、こんなに至れり尽くせりでどうしてくれよう、という感じです。もはやAmazonが撤退したら生きていけない人もいるのでは、と思うほど。
ところが最近、「インターネットに接続していない人は、案外たくさんいるのかもしれない」と思った出来事がありました。
数年前の韓流ドラマDVDBOXを買いたい!
それはバイト先のスタッフさん。60代半ばくらいのおばちゃんです。
韓流ドラマが好きで、お気に入りの作品はレンタルで何度も借りてきては見ている。テレビで放送すれば欠かさず録画。好きな俳優さんにキュンキュンするのはいくつになっても同じです。うふふ。
ところが、録画用ハードディスクが壊れて、大事に録画していたドラマが消えてしまいました。レンタルで借りてきて見るけれど、やっぱり手元に置いておきたい…
数年前の作品なので、新品で購入しようと思っても店頭に置いていない。取り寄せてもらおうと店員さんに調べてもらうと、割高なバラ売りしかないと言われたそう。
おばちゃん:
「中古のショップを見たり、探しているんだけどねえ」
私:
(それは、普通にAmazonにあるのでは?)
おばちゃん:
「インターネットなら売ってるのかしらね。息子に頼んでもやってくれないし…」
私:
「……。ちょっと今調べてみましょうか?」
おばちゃん:
「いいの!?通信料とかかかるなら払うわ!調べて調べて!」(食い気味)
私:
(お、おう)
ドラマのタイトルを聞いて、その場でスマホで検索。
8年ほど前のドラマだったので、ヤフオクなどにも結構出ているようす。ふむふむ。Amazonに行って見てみると、全25巻セットのDVDBOXがあるみたいですよ?新品で、30%オフくらい。24000円くらいですねー。
おばちゃん:
「買えるの!?その値段なら全然いいわ。買ってくれる?お金…今22000円しかないけどこれ渡すから。今度残り持ってくるから!」
私:
「あ、別にいいっすよ…(あっという間にお札を握らされる)」
ポチ。
注文完了。
おばちゃん:
「ありがとうねー!いつ届くかしら。よかったわー。聞いてみてよかったわー!」
うっかり「お急ぎ便」にしてしまっていたので、DVDBOXは早速翌日に届き、次のバイトのときには手渡しできたのでした。めでたし。
で、私はこう思ったのです。
この人と私は、同じ時代に同じ国で同じ仕事をしてるのに
生きてる世界が違うな、と。
新しいものを受け入れる=豊かに生きること。
私が生きている世界では、おばちゃんが数か月かけて探していたものが5分で注文でき、翌日には届く。
インターネットが登場して約20年。これだけ生きている世界が変わってしまうのです。
どっちがいいかって、そりゃあ便利な方がいいに決まってる。
技術は人が便利に、豊かに暮らせるように発達するものだから。
新しい技術が出てくるときは、最初は怖かったり「自分には必要ないよ」と思ったりするけれど、20年たてばこれだけ差がついてしまうのです。この1件で私はそれを目の当たりにしました。
お金があっても、知識がないと欲しいものが買えない。
今は配信限定の音楽もあるし、電子書籍でしか読めない本もありますよね。
大好きなミュージシャンや作家の追っかけをしようと思っても、テクノロジーについていけないと追っかけられない状況に、あっという間になってしまったということです。
ひっくり返せば、今出始めている新しいサービスやテクノロジー(UverとかAirbnbとかAIとか仮想通貨とか)も、十数年後には同じように「使いこなせなきゃ良いサービスが受けられない」状態になるのだろうってこと。
Amazonで買い物できないおばちゃんのこと、笑えないぞ。
新しく登場する便利な仕組みを受け入れなかったばかりに、不便な思いをする(そのことに気づいてすらいない)人にならないように、自分は新しいものについていこう、と背筋が伸びる思いがしました。
どんどん新しいサービスが出てきてついていけなくなりそうになるけど、歳をとるからこそ頑張ってついていくべきだと思う。世の中は確実に便利に快適になっていくわけで、歳をとって動けなくなったりお金があまりない状態にある人こそそういう便利なものに助けられるのだから。
— 高畠美月 (@unimizuki) 2017年8月4日
新しいものを取り入れるのは、勉強ではなく好奇心。
新しいものが出てきたとき、「私はいいや、今のままで不自由ないし、なんか怖いし」と思ってしまうのは動物として当然なのかもしれません。
変化はリスクでもあるし、損をするかもしれない。
でも、「今のまま」を維持しようと思ったら、じっとしていたらダメなんですよね。それは下りのエスカレーターに乗っているようなもの。
そこでついていかなきゃ、勉強しなきゃ、と思うとツライけど、必要なのは勉強ではないのです。
新しいサービスや技術に、アンテナをはること。
新しいものが出てきたことに、ワクワクすること。面白そう!と思うこと。
どんなことができるようになるんだろう?と、とりあえずさわってみること。
その原動力は「好奇心」です。
好奇心を枯らさずに生きていこう、と強く思ったのでした。
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ちなみにそのおばちゃん、最近ガラケーをスマホに変えました。
次に同じようなことを頼まれたら、今度は自分でAmazonに接続できるように教えてあげようと思います。スマホがあるなら、できるはずだもんね。
何歳であってもやる気さえあれば、道は開けているんですよ。
こちらの記事が素晴らしいので是非。
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